血染めの鎖
「俺だって世間体を気にするぜ?俺はもう悪目立ちしたくないだけえー」
「とかナントカ言って、ほんとは俺のためなんだろう?相変わらずお前は素直じゃないな、トルガ」
「……うっせ」
あぐらを掻いた状態でそっぽを向くトルガ。ツンデレ疑惑か。
その様子にリークもくつくつ笑っている。上品に口元を隠して笑ってらっしゃるとこがまた王子オーラむんむんです。
「ああ、そうだトルガ。まだ旅支度に必要な物が揃ってないだろう?今からリストにして紙に書くから、買ってきてくれ」
「はあ?!おまっ、自分から急に『行くぞ』とか行っといて旅支度まあーだ終わってなかったのかよ!
つかっ、そんぐらい自分で行きやがれ!」
「おや、これは奴隷であるお前の仕事だろう?」
「だあからあああっ。二人で行った方が楽だろうがっ!俺一人に押しつけんじゃねえよ!」
「はあ……まったく。本当に頭の回らない馬鹿者だな、お前は」
「あ"あっ?!」