血染めの鎖
「んでんで、お嬢ちゃんはどうしたわけよ?迷子かい?」


「なわけあるか」



コレだよコレ、とトルガは買い物リストを見せる。



「あの鬼畜に買ってこいって言われたんだけどよう。なにがなにかサッパリだ。チッ、適当になんか買うか」



トルガの言葉に一瞬キョトンとした男。しかし突然笑い出した。



「ぶはっ!き、鬼畜って!ひはっ、はっ、腹ぁいてえよ俺ぁっ!ふ、ふはっ!とんだ言われようだなあ王子サマもっ!ひっ、ひあはははははっ!」


「笑いすぎだろお前……。で、結局誰なんだ?」



トルガの疑問に、目に涙を浮かべそれを拭いながら男は名乗る。



「俺ぁただの流浪人。ああでも、今日からまた忙しくなっかなあ」


「あ?んだよそれ……。まあいい、じゃあ俺はもう行くからな。笑い上戸のおにーさん。……ったく、あんの鬼畜め、変なもんリストに書きやがって…」



去り際に放ったトルガの言葉に、流浪人がまた爆笑したことは言うまでもない。

だって周りの目が痛いんだもの。

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