血染めの鎖



「(………あれ、そういや俺…)」



あの流浪人に俺の名前教えたっけか?

そう疑問符を浮かべるトルガは先程の言葉を思い出す。


『おいトルガっ!あんたホントおもしれえよっ!ここだけの話、俺の名前は【ロアロ・メル】!また会おうなーっ』



「【ロアロ・メル】、か……。変な奴だったな。あそこまで笑えたらいっそ清々(すがすが)しいわ」



ぽつりと呟く名前。



「………あ?」



ふと、トルガは立ち止まる。



「ちょっと待てよ?ロアロ・メル、ロアロ・メル………ううん、どっかで聞いたことのあるような……」



眉間にシワを寄せ考え込むトルガ。

しかし唐突に、その思考は遮断されることになる。







「いやああああああああああっ!!」

「ひっ…なんだよアレっ?!」




そう、偶然なる悲鳴によって………




「魔族が現れたぞッ!!」




血に染まるのは
一体ドチラ?

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