血染めの鎖
それは広場での出来事。


噴水の周りにて踊り子が楽しげな曲に合わせ、踊っていたときのこと。



[人間共ガ……]

[殺シテヤル!殺シテヤル!]



地から響くような声が聞こえたと思えば、日の光が突然遮られた。

何事かと人々が空を見上げれば、そこには肉が裂けグロテスクな容姿をした魔族が………




「で、こんな状況になったっつーわけね……ったく、面倒くせえなあ」



駆けつけたトルガの目の前に起こる、魔族の突然なる襲撃。


不幸中の幸いか。

魔族は噴水の上に落ちたようで、誰一人と踏み潰さなかったようだ。


もっとも、その時の衝撃によってあたりは水浸しのびしょびしょ状態だが。

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