血染めの鎖
「あ、ところでよう、リーク。買い出ししなくてもよかったのかよ。俺まだ買ってねえぜ?」
「ああ、それに関しては問題ない。あれはただお前への嫌がらせとして遣わせただけだからな」
「地味に酷ぇな、おいっ!」
いまだ頭を押さえているトルガは涙目になりながらもツッコむ。
それをリークは至極愉快に見ているのだが、馬鹿なトルガはそれに気づかない。
と、ほのぼの(?)と会話していたその時。
ーガアンッと音がして馬車が大きく揺れた。王子は受け身をとれたからいいものの。
頭に手を乗せていたトルガは間に合わず受け身失敗。オマケに舌を噛んでの大惨事だ。
「イッテー!」と叫ぶトルガを無視し、リークは急いで馬車から出た。
しかし、目の前の光景に足を止めてしまう。
「なんだこれは…?」
なんと、目の前には泥で汚れた服を身に纏った人たちがぞろりと馬車を取り囲んでいたのだ。