血染めの鎖
肝心のリークはというと、村長の傍でダンマリとしている村娘に視線を止めていた。
何かを探っている様子だが…。残念、情報が少なすぎる。仕方なしにリークは視線を村長に戻した。
「それでは、部屋を先程用意しましたゆえ。そちらで心身共に休んでくだされ…」
「お言葉に甘えて。行くぞ、【アル】」
「………。えっ?!(お、俺ぇええッ?!俺のことなのか?!)」
「何をしている、早く行くぞ」
「えっ、あ…うわっ!」
キョドっている内にも、リークに手をひかれてトルガはこけそうになるも部屋から出た。
村娘に案内され、着いたのは村長の家の奥。扉がオープンされているため、ここからでも中がよく見える。
「ゆっくりしてくださいませ」そう一礼して去っていく村娘の背を見送り、早々と部屋に押し込められるトルガ。
「のわっつ?!」その際、足を滑らせ頭を強打したトルガは顔を上げるなりリークに反抗した。