血染めの鎖
いやしかし、それ以前にトルガはリークの優しさ(手加減)を知っているのだろうか。
人一倍敏感肌ゆえ、痛さのあまりショック死してもおかしくないトルガの体。
そのことに配慮し、出来るだけ強くあたらないよう気をつけているリークの優しさに、トルガは気づくのか。
もっとも、日頃シツケ(という名の暴力)を喰らっているトルガにとって、その優しさは微塵にも感じないだろうが。
「ああそうだ」
ぽんっ、と手を叩き声を上げるリーク。
どうしたんだと頭を押さえながら尋ねるトルガに、リークはにっこりと笑いかける。
「そういえばお前に言ってなかったが、今夜、お前には死んでもらう」
「………。え?」
タラリ。冷や汗が背中をつたい、その表情は明らかに動揺していた。
さあ、仕込みの材料を集めてこい、
僕がお前ごと火にかけてやろう。