血染めの鎖



カラスの鳴く早朝はすぎ、雀のさえずる温かな遅朝。

消えた奴隷の主人、リーク・メルは村人から励まされもう少しここにいればどうかと提案された。


「消えたあの子も、ねえ……。もしかしたら出てくるかもしれないし、もう2日3日はここにいたらどうだい?」


「そうそう、魔族に喰われたかどうかもわかんないし…ねえ」


「あら、そういえば昨日、誰か襲われたのかい?ほら、あっちの崖の方は荒れてるけど、村は荒れてないようだし」



崖の方。

その言葉にピクリと反応したリークは村人たちからの励ましに礼を告げ、急ぎ足で崖へと向かった。

< 74 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop