血染めの鎖
それは降りそそぐ雨水とは違い、あたたかい雫であった。
自身を孤独にさせてしまう冷たい雨水。
自身をアイに触れさせた温かい涙。
「おまえはまだちいさい。ぼくよりずっと。なのに、ずっとがんばってたんだな」
「ふ、うっ……ううっ、」
「きたないおとなたちに、ずっとひどいことされてたんだな」
「う、あ、……うんっ、う、ううっ」
もう大丈夫だ。
なんて言葉を言ってやれる保障はないけれど。
「もう安心しろ。ぼくがいる」
「ふぇっ…?」
せめて、この小さな少女を守りたいと思った。