血染めの鎖
どうしようかと数秒考えたリークだったが、後にすると伝えて部屋の外へと向かった。
その背に向かって慌てたように村娘はリークに走り寄る。
「どこへ行かれるのですか?」
「え?あ、いや、ちょっと散歩に…」
「私も着いて行きます!救世主さま一人では危のうございますから」
「危ないって…、別に一人でも大じょ「い・け・ま・せんっ!」
「……。」
困ったな…。
頬を掻いて遠くへ目を向けるリークに、村娘は腰に手をあて続けた。
「お連れの方の安否もわからないうえ、救世主さままで消えれば村の者も混乱いたします!それに…」
「?」
チラ、と外に目を向ける村娘。
その視線の先を追えば、既に暗くなってしまった夕刻の空が窓から見えた。
成る程、夜は魔族も出るだろうし、さぞかし危険なことだろう。
そこにリークを出すわけにいかないということか。