血染めの鎖
それなら自分と一緒にいる君の方が危ないのではないか。そう口に出してみるも、
「私は大丈夫です」
何故か自信満々に答える村娘に、もはやリークは諦めかけた。
実質、リークも半ば賭けであったからこうなることは予想できていたようだが。
仕方ない。
息を溢して、「わかったよ。一緒に散歩へ行きましょうか」と苦笑気味に扉へ向かうリークに、やったとばかりに村娘はその背に着いていった。
一番星の見える空。月のなくなった夜の世界に、ふたつの影。
ひとりは背の高い青年に、ひとりは背筋をピンと伸ばした同い年ほどの少女。
ゆっくりと、深く侵食されてゆく。
闇夜の影に、気づかぬまま。
「あ。救世主さま、あそこって確か、お連れの方が消息を絶った場所…」
「ははっ、消息を絶った、ね。うん、まあ、そうかもしれないね」
「?」