血染めの鎖

「さっきも言ったと思いますが、あいつは君が思ったより弱くないので。
あ、いや、“君たち”の方が正しいかな」

「!」


驚き目を見開く村娘。その瞳は揺れており、動揺していることが確かにわかる。

そんな村娘の様子にくすりと笑みを溢すリークは、崖の方へ足を向ける。そしてそのまま、一歩一歩崖へ近づくと共に口を開いて。



「初めからオカシイと思っていたんです。あいつ、アルには馬鹿にされましたがね。『お前そりゃあ神隠しにブルっちまってんじゃねえーの』って。

ははっ、僕が“そんなもの如き”にブルってしまうわけないでしょうに。文字通り、この村はオカシイのですから」

「……。」


背を向けて話すリークに、村娘はその背を睨みつけていた。

僅かながらジリジリと、リークの背後に迫る村娘に、リークが気づく気配はない。
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