血染めの鎖
[ッツ!コっのッ……]
[喰ッテヤル!喰ッテヤル!]
[馬鹿なニンゲン!ドーせミンナ喰ワれルダけなノニ!]
[ソノ頭、喰いチギってヤる!]
「食いちぎる、ねえ…。っはん、できるものか。お前らのような愚族共に、この僕がやられるとでも?」
煽るリークの腕のなか、もうダメだと村娘は目を瞑った。
[死ネ!]
ああ、もう殺される。
魔族の腕が降り下ろされ、もう一匹が歯を剥き出しにこちらに向かい、さらに一匹が涎を垂らしながら猛烈な勢いで襲いかかってくる。
それを視界にいれまいと恐怖する村娘。
それがなんだとツンと澄ますリーク。
命の灯あとわずか。
………、といったところで尚。
「やれるものなら喰らってみろ」
リークは密かに口角を上げた。
ここで死ぬまい。死ぬものか。
はて、死ぬわけないだろう。
さも当たり前だと言わんばかりに。