【短】《オオカミお礼小説》 線香花火と夏の夜
どうしよう……今私、この人の事が愛しくて愛しくてしょうがない。


さっきまでの緊張が、ウソみたいにゆるゆると解けてゆく。


「へっ……?ふぶ…き………?」


私は無意識の内に、統牙の背中に自分の腕を回していた。


と言っても、右半身下にして寝てるから……左腕だけだけど。


「統牙って…やっぱり温かいよね。湯たんぽみたいで落ち着く………」


「…………っ」


スリスリと統牙の胸に頬擦りすると、ウトウトと眠気が襲って来た。


何だって統牙に抱きしめられると、こんなに安心出来るんだろう。


まるで魔法使いみたい。
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