そして 君は 恋に落ちた。
「男は追われると逃げたくなる」
言った吉永さんに、瀬川君は「そーそー」と同意した。
「でも追われないと、それはそれで「ああ、俺は必要ないんだ」とか思うんだよな」
聞きながら、男の身勝手さを知った。
「初恋のあのドキドキが欲しいな」
「分かる!大人になると、僕もだけど、女の子も駆け引き覚えてなんだか純粋な気持ちが薄くなるよね」
「あ、この女イケるなって思うと狩りしたくなくなるし」
「瀬川君も?
僕もだよ。やっぱり落ちない女の子を狩りたいよね」
聞きながら、一口ワインを流し込んで、二人に聞いてみた。
「……女子から「抱いて」って言うのはダメなの?それって、引く?」
私の質問に、一瞬で静かになる。
「「……抱いて」か……。
その女によるよな」
「うん。そうだね。
今まで女性として魅力無かった子がいきなり大変身して、しかも僕を真っ直ぐ見て「ずっと好きでした。お願いだから抱いて下さい」なんて言われたら……僕は断れないかも…」
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