そして 君は 恋に落ちた。
歩いてる最中も手の中の携帯は震えた。
何回かはメール。
その次に着信。
小林君か松田君だと思う。
でも、確認したくない。
松田君だったら、この期に及んで会いたくなってしまいそうだし。
小林君だと甘えてしまいそうで……怖い。
空を見上げると、すでに真っ暗で。
そういえば、数日前に冬至だったな、なんて思ってまた小さく息を吐いた。
1ヶ月前、経験のない自分が嫌で仕方なかった。
だから松田君を利用した。
経験したら、11月11日を軽くなった気持ちで過ごせるような、そんな気がして。
いつも遠巻きに見ていた華やかな世界の主人公に私もなれる気がした。
……ただの気のせいだったけど。
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