そして 君は 恋に落ちた。




くっそー!



学生の頃から何でも要領よくやれてたせいか、居残りっていうこの時間が酷くイライラしてしまう。


もちろん、時間内に仕事を終わらせられない自分自身にも。




「お疲れ様でしたー」



続々と周りが帰って行く中、俺はひたすら電卓と表を睨み付ける。


と、前の席の先輩が珍しく残業していた。



「……先輩も残業ですか?」



あまり見ない光景だけに話しかけてしまった。

が、先輩は眼鏡を直し俺を見ると、

「明日の分を今してるの」

言って、また手元へと目を向けた。



……明日の分て。予習かよ。




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