そして 君は 恋に落ちた。




次の日も、昨夜二人で残業したにもかかわらずその距離が近付くこともなくて。

先輩とは朝の挨拶以外口を利かず、時間は過ぎていった。



昨夜先輩から教わったおかげで、今日は一時間の残業で終了。

気持ちが軽いまま片づけを終えると、何となく先輩のデスクに目を向ける。


けど、すでに先輩は帰った後で。

俺は無意識に溜息をつくとエレベーターに乗り込んだ。








それから数日過ぎて。



エレベーター内は帰る人達で混雑していた。


機械音と共にエレベーターが開く。と、受付前を人混みに紛れ通り過ぎた。
外に出て駅までの道を歩いていると、携帯が震えた。




何となく予想しながら開くと、予感的中。



“今夜会えますか?”



愛からのメールだった。




少し考えて、親指で打っていく。


< 185 / 378 >

この作品をシェア

pagetop