そして 君は 恋に落ちた。
春日先輩が俺と同じ美浦に住んでるのはかなり前に知ってた。
ちょうどニ年前、彼女と二人手を繋いで歩いていたら「あ…」と愛が何かに気づき、俺の腕を引っ張り立ち止まった。
「……あの人、優樹の先輩じゃない?」
そう小さな声で言われて、追い越した女性の後ろ姿に
「ああ、春日さんだ」
特に気にもせず。
そっか。先輩同じ駅だったんだ。
そう思っただけで、次の瞬間には彼女と行くデートの予定に思考はもってかれて。
そんな程度だった、のに………
何かにイラついた。
何に対してなのか……
俺は全く気付かないまま、さらに月日は過ぎる。
.