そして 君は 恋に落ちた。
11




―――10月。


月末というのもあって、経理部は慌ただしい日々を送っていた。



カタカタカタとキーボードを最速で叩きながら数字を入力していく。

かれこれ4時間休憩なし。

集中力も限界で、キリの良いところで体を背もたれに思い切り押し当て背筋を伸ばすと―――

画面に張り付けてあったハガキがヒラリ、風でキーボードに落ちた。









前の彼女と別れて数ヶ月。

彼女はできちゃった結婚で、早々と寿退社。
俺は笑顔で彼女に「おめでとう」を告げ、彼女は一番キラキラした顔で「ありがとう」と涙ぐんでいた。

色々あったけど、それでも彼女の幸せを祈っていた。


その彼女からの結婚式の招待状を手に、無意識に小さく笑う。

そんな、穏やかな日々の中。


ある変化が起きた…―――





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