そして 君は 恋に落ちた。






ゆっくり、一枚一枚丁寧に服を脱がしていく。


その間、俺の頭の中には二人の俺がいて。

『早まるな』という俺と、『春日さんが欲しい』という俺が、いつまでも叫び続ける。




最後の一枚を剥がした先には、彼女のキメ細かな素肌。

そこをゆっくり指でなぞると、赤く色づいてゆく、頬、唇、首筋。


そこに、ゆっくりキスを落としてゆく―――…






その細い身体を優しく撫でたら………深い、息遣い。



見下ろした先には、まるで知らない春日さんの“女”の顔。









鼻にかかる高い声も、

思いの外可愛く鳴く声も、


今は全部、俺だけのモノ―――…











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