そして 君は 恋に落ちた。

瀬川さんの乗ったエレベーターに慌てて乗り込む先輩。



「何もないよ。

　松田君またね。お疲れ様」


あ、と思った時にはすでにエレベーターのドアは閉まってしまい、後に残された俺は、何故か胸のモヤモヤに悩まされる。




……なんだよ。何で逃げるの？


いつものキリリとした表情が嘘のように、たどたどしい顔で。

タイミング良く来た瀬川さんに助けてもらって。

俺から何で逃げるの？


本当に、一晩の過ち程度の事なのか？








昨日の春日さんが幻のように、


俺の前をすり抜けていってしまった―――…












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