そして 君は 恋に落ちた。



「春日さん」


「……何?」


「今日の夜あけて下さい」


俺から目をそらしていた先輩が、瞬時に目を向けた。そして、


「“美浦の店”で待ってます」


言われた言葉に、彼女は目を見開く。







―――捕まえた。



目を逸らさず見上げたまま固まる先輩。

次の瞬間には、その柔らかな唇を塞いだ。




「……ふ、ン…っ」



最初は柔らかな唇だけを押し付け。

次に舌をゆっくり押し入れ絡めると、耳に入るのは先輩の甘い吐息。



そして、甘い、先輩の―――…








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