そして 君は 恋に落ちた。



「や…っ」


「ハァ…っ

 ダメ……逃がさない…」


「んんっ ……ア、アァ…っ」




もう、何度逃げようとしただろう……


そのたび逃がさないと腰を掴み、背中に噛み付き髪を掴んで、声を上げる彼女のさらに奥深くまで進もうとする俺は―――まるでケダモノだ。







「ん…」


気怠そうに瞳を閉じ眠る先輩を見て、さっきまでの激しさが嘘のように、ただ満たされる。


言い様のない気持ちを胸に、額に唇をあてギュッと抱き締めた。










ああ、そうか……


この気持ちは、“愛おしい”に似てる。




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