そして 君は 恋に落ちた。
身じろぎながら俺の胸にスリ寄る彼女。
ふと笑みが出る。
ねえ先輩。
俺はまだ、この気持ちの答えが出せないんだ。
でも、何故だろう。
あなたに触れたくて仕方ないんだ。
だから、決めたよ。
アナタはこの腕の中にいればいい。
俺の腕の中で、
俺に溺れればいい―――…
不意に起きあがり、俺の腕からすり抜けようとした彼女を、また強引に腕の中に納めた。
「ちょ…っ 松田君寝ぼけてるの…?!」
「……シッ まだ夜明け前ですよ」
「いやいや、とにかく放し…」
「ほら、寝ますよ。静かにして下さい」
何とかして俺の腕から逃れようともがく彼女の首に、ゆっくり自分の唇をあてる。
すると、―――ほら。
大人しくなった。
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