そして 君は 恋に落ちた。







「おはようございます」

「おはようございます」


出迎える受付嬢に軽く挨拶をしてエレベーター待ちの人の列に自分も入った。



結局、二日間モヤモヤを消すことが出来ないまま朝を迎え、月曜日―――。


同じ様な色の背中を視界に入れながら、エレベーターを待つ。

…が、到着したエレベーターには、俺一人入る隙間がなくなり―――


「お先、どうぞ」


笑顔で先を促す。



静かにドアが閉まり、俺は小さく溜息吐きながらエレベーターを呼ぶボタンに手をかけた。

……ツイてない。



「おはよ」


後ろからの声に、またもや心の声。


―――ツイてなさ過ぎるだろ。




「おはようございます、瀬川さん」


振り返りながら笑顔を貼り付けた。

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