そして 君は 恋に落ちた。

「おお！良い笑顔だな、相変わらず！」


ニヤリ、笑う瀬川さんに「何ですか、それ」と困った顔を見せた。

チラッと瀬川さんの後ろを確認するけど、春日さんは一緒じゃないみたいだ。



「ハルヒはまだだよ」


俺の心を読んだのか、瀬川さんがエレベーターのドアを見ながらまるで独り言を呟くように言った。

俺は後ろに向けた目を隣の瀬川さんに向ける。



「先輩の家にあれから泊まったんですか？」


何でもないように笑って聞いてみる。

もしかしたら、この人……


俺の質問に瀬川さんはまたまたニヤッとして、

「ベラベラ話すとあいつに怒られるから」


その言葉に、俺もエレベーターのドアに目を向けた。



これは―――


「松田君、目が笑ってないよ」


気付かれてる。

．