そして 君は 恋に落ちた。
「あいつも罪作りな女だねー」
エレベーターが到着し、機械音と共にドアが開いた。
俺と瀬川さんは乗り込み、次々と乗る人に押され奥の壁に追いやられる。
何人かの背中を見ながらエレベーターが上がる感覚に身を任せていると――
「あいつ、恋愛初心者だからほどほどにね」
と、耳元で俺に告げ、4階に到着したエレベーターからスルリと降りた。
―――…やっぱりあの人は好かないな。
5階に着きエレベーターを降りると、そのまま休憩室まで向かった。
こんなイライラしてる状態で先輩に会ったら……きっと俺は全部ぶつけてしまう。
……確実に。
.