そして 君は 恋に落ちた。




まだ最後の理性の糸は切れてない。

全てをさらけ出したいけど、ここが会議室だということは頭のどこかで分かってる。


だから、痛みによって彼女への欲を吐き出す。



「ハァ……も、ダメ…ッ」


俺を煽るだけの叫びを聞いて、その先までイキタイと、欲が溢れ出して止まらなくなる。

壁に押しつけられた身体は、自分の力で立てなくなり、ズルズルと堕ちていく―――…





もしかしたら、彼女は瀬川さんにもこんな声を聞かせているのか。

こんな、嫌がりながらも最後は涙を流しながらしがみついて。相手の欲を煽り、高ぶらせる―――


「先輩、エロいね。
 痛みで感じるんだ?」


嫉妬と嫌悪に任せて思い切り歯を立てた。

瞬間――


「――…アッ」



彼女は、涙を流しながら俺に口付けた。




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