そして 君は 恋に落ちた。




話を聞いて、なるほど、と。

知らぬ間に壁により掛かりその話に耳を傾ける。



「あの二人手玉に取るって、もしや凄い技持ってんじゃない?お局」


「あははっ」と笑う彼女達の話を聞きながら、凄い技ねぇー…と考える。



春日さんは技なんて持ってない。

全てに反応して、いつもいっぱいいっぱいで。あまりの初々しさに、俺は毎回煽られてる。

あれが計算とか……ナイナイ。




しばらくそんな話を聞いていると、何人かの話し声が休憩ルームに近付いてるのに気づいた。

俺はゆっくり壁から背中を離し、休憩ルームのドア横の壁をコンコン、と叩く。



「お疲れ様です」


笑顔を貼り付けひょっこり顔を出すと、中にいた二人はビクリと体を跳ねらせバッと振り向いた。


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