そして 君は 恋に落ちた。




改札を抜け、駅近くのコンビニに寄り各々買い物をする。


彼女は今日林原を部屋に泊めるらしく、歯ブラシなどを買っていた。



「なんかね。彼、私と松田君が実は一緒に住んでるんじゃないかって疑ってたらしいの」

「は?何で?」

「同じマンションじゃない?
 そんな偶然あり得ないって」

「ああ、最初愛も言ってたな。
 実は二人付き合ってるんでしょーって」


コンビニから出ると、冷たい風が頬を掠めブルッと身震いしてしまう。



「ハァ… 冷えてきたね」

小さく呟いた藤井さんも、同じ事を感じたんだろう。

俺は彼女の重そうな袋を持ち、マンションまでの道を一緒に歩き始めた。



そんな俺達を、春日さんが見ていたなんて知らずに………













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