そして 君は 恋に落ちた。
定時になり、チラリと横目で春日さんを見ると、彼女はまだPC画面に目を向け手を動かしていた。
……これは今日も残業か。
明日は一緒にいるし。
今日は素直に家に帰るかな。
パパッと大して汚してないデスクを片付け、俺は「お疲れ様でした」と挨拶をして部署を出た。
その間、先輩とは目が合うことはなかった。
「お疲れ様!」
駅までの道を歩いていると、少し高い声と共に肩を叩かれた。
「あれ? 林原は?」
自然に隣に並んだ彼女に笑顔で聞くと、少し頬を膨らませ
「急な接待だって。瀬川さんと」
真っ直ぐ前を見ながら拗ねた。
.