そして 君は 恋に落ちた。




「……瀬川さんと?」

「そう。今、瀬川さんから色々教わってるみたいで」

「へえ…」


確かに、営業トップにいるあの人の下で教わったら、かなり勉強になるだろうな。



「松田君て瀬川さんと仲良いよね。いつも食堂で一緒に食べて」

「いや?全く仲良くはないけど?」


俺が間髪入れず否定すると、藤井さんは目をまん丸くした後プッと吹き出した。


「あはははっ
 そんなに否定しなくても…!」


楽しそうに笑う彼女に、俺もつられてしまう。


「いや、本当に。瀬川さんと仲良いのは、俺じゃなくて春日さんだから。
 俺はついでにいるんだよ」


……これは嘘じゃない。
彼女と一緒に居ようとすると高確率であの人もついて来ちゃうんだよな。


「そっか。
 松田君は春日さんが好きだもんねえ?」


フフッと笑う彼女をちらっと見た。


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