そして 君は 恋に落ちた。



「松田君てそんなに自分から人と居る事ないけど、春日さんとは良く一緒にいるから」

「……そりゃ先輩だし」

「そうなんだよね。
 ただ、一緒に居るのが楽しそうな感じだったから……松田君にとって、居心地いいんだろうね?」

ニッコリ笑う藤井さんに、俺も笑顔で返す。


いつもフワフワしてるのに。……侮れない。




気付いたら改札を通っていて。目の前には電車が到着してドアを開けていた。

乗らないの?と笑顔を向ける彼女に、俺は薄く笑い一緒に乗り込んだ。





「ハァ…寒いね」

「ああ。もう冬か…」


電車を降りると途端に寒さを感じ、吐き出す息が白く出る。


特に今日は寒い気がする。




「松田君の想ってる人って、どんな人?」



不意に聞かれ、空を見ていた目を隣の彼女に落とした。



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