そして 君は 恋に落ちた。



「じゃ、これは貰ってく。
 仕方ないから瀬川と二人で鍋つつくわ」



俺の睨みつけるような目線にも動じない小林さんは、落とした買い物袋を拾うといつもの可愛らしい笑顔を見せた。

「バイバイ」と俺を横切る際、瀬川さんにも似た表情で、最後の最後まで俺の神経を逆なでする。



本当、先輩の周りの男は癖のある奴ばっかり。


……俺も含めて。







―――さて。

固まる彼女をどうしてくれようか。



……まずは彼女にきっちり俺がどれだけ想ってるか、その身体全部で知ってもらおう。

そうしてもう逃げれないように、鎖で縛り付けよう。



さあ、


「とりあえず、俺の家行きますよ」



始まりの時間だ。












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