そして 君は 恋に落ちた。



「……離して。

 松田君に何で怒られてるのか分からないし」


震える唇に精一杯力を入れ、毅然と答えた。

それを見た彼は、フッと笑うと、

「逃がさないって言ったでしょ?」


言ったと同時に、グイッと掴んでいた手に力を入れ、体ごと引き寄せた。



「――っ」


気付けば。

目の前にはきめ細かい彼の肌。と、長い睫毛。



「んん…っ」


少しの隙間をすり抜け私の中に入ってきた彼のモノが、私の口内を自由に動き回る。

それから必死に逃げようとするけど、彼のモノが私を執拗に追いかけ逃げられない。



「…ン、………ッ」


息も苦しくて。

口内を暴れる彼からの刺激に、思考が緩やかになっていく。





―――好き。


やっぱり、彼が好き。



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