そして 君は 恋に落ちた。




もう、無理だった。



彼とのキスの味を知ってる私は、それから逃げる事なんて出来るわけ無くて。

いつの間にか、拙いながらも彼に答える私。


私が彼のスーツをぎゅっと握ると、彼は腰をさらに引き寄せ隙間ないくらいに密着させた。



玄関に響くのは、私達のキスの水音だけ。

それがさらに二人を煽って、もう、スーツも何もぐちゃぐちゃになっても続けた。












しばらくして、彼がゆっくり呼吸を乱しながら私から離れた。




「なんで泣くの……」



額を私の額にコツンと合わせ、溜息とともに呟く。


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