そして 君は 恋に落ちた。



「沈黙は肯定とみなすけど」


怒ってるような松田君の口調に、体を小さくさせる。


なんでこんなに怖いの…。



威圧感丸出しの彼を前に、私は完全に忘れていた。

彼女がいた事を……






――――ダメだ!


「付き合うかも、しれない」


バッと上げた顔。
目の前の松田君は目を見開いた。



「小林君と……付き合うかも、しれない…」


声がだんだん小さくなってしまった。でも……それでも、私は彼に言わなくちゃいけない。

彼女の為にも。



「お互い彼氏彼女が出来たという事で。

 だから……もう、これで終わり」



私達の宙ぶらりんな関係は、もう終わり。


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