そして 君は 恋に落ちた。
「もう限界」
言って、さっきよりも深く唇を合わせるから。
私は言葉を発せ無いまま、ひたすら呼吸をする。
本当は、ちゃんと聞きたいことがあって。
『彼女は?』とか、『私をどう思ってる?』とか……
知りたいこと何一つ聞けず、ただただ私を求める彼に、体も頭も麻痺してしまって。
本当は、知らなきゃいけないのに………
それでも。
彼が求める全てに答えようとする私は、もう、彼無しではいられないくらい、松田君に溺れてるんだ――…
彼が私のシャツに手をかけて、ボタンを外しながら唇を首筋に移動させた。
それに体を跳ねらせ息を止める。
「―――っ やだ…!」
必死に出した声は、思いの外甘い。
.