そして 君は 恋に落ちた。
「松田君…!」
玄関から乱暴に担ぎ上げられ放り投げられたのは見覚えあるベッド。
途端に顔が真っ青になる。
―――彼と彼女の…!
「……いや!」
叫び声と同時にそこを退こうと体を起こすけど、彼はそれ許さないとばかりに私の上に乗った。
そして私の両手をベッドに抑えつけ、無表情のままグッと顔を近づける。
途端に息を止める私。
「あなたがずっと欲しかった。
欲しくて欲しくて……俺だけを見ればいいって本気で思ってた。
けど……もう、いい」
電気もついてない寝室で、いつもは可愛らしい雰囲気の彼の顔は今まで見たこと無い男の色気を纏っていて。
彼の向こうには、真っ白な天井がぼやけて見えた。
私は夢でも見てるのかな……?
でもこんなリアルな夢なら。
永遠の眠りについてもかまわない………そう思える。
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