そして 君は 恋に落ちた。




「好きです…」



繰り返し呟く彼の声が、私の鼓膜を甘く震わせる。

何度も、何度も……



胸が詰まって溢れる涙を止めることが出来なくて。

彼が与える全てに、私はただ、甘い吐息を吐き出すだけ。



「……ごめん」

切ない声で呟いた。
その意味が分からず、閉じていた瞳を開けた瞬間――


「…ぁあ―――ッ」



彼は勢い良く私を貫いた。







ユラユラ

ユラユラ揺れて。



彼と繋がる全て、隙間なくピタリといられるなら。

この苦しい位の痛みも、全て、愛しいだけ。




「……す…き――――」





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