そして 君は 恋に落ちた。
もう、死んでもいい―――
……なんてベタな事。死んでも思わないと思ってたのに。
後ろからキツく抱き締める彼の温もりを、背中いっぱいに感じることが出来るなら。
今この瞬間、死んでもいいと、本気で思った。
「………また泣いてるの…?」
枕と私の首の間の隙間に筋張った腕を滑り込ませて。
松田君はもう片方の腕を私の腰に回し、グイッとさらに引き寄せた。
背中の彼の暖かさが心地良くて、でも、恥ずかしくて。二人何も纏っていない事を思い出し、体を離れさせる。
でもムッとした口調で一言「ダメ」と言われてしまえば諦めるしかなく、彼は少し出来た隙間を埋めるように、さらに強い力で私を後ろから引き寄せた。
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