そして 君は 恋に落ちた。


――――――――……
―――――――――――………




『………わ……さ…ん…』


ああ……

夢の中でも現れてくれるんだ……




『美和さん』



目の前には、優しい笑みを浮かべる松田君の姿があって。


声だけでも良かったのに。

それでも、声を聞いたら会いたくなって……

触れたくなって。


―――やっぱり会いたくて。




「……大好き…」



寝ころんでいた体を半身起こして彼に抱き付いたら。

いつもの彼の香りがした。



「……ずっと傍にいてね…」



呟いた言葉。

夢の中の彼は『傍にいるよ…』と、優しい声で囁き私の体を優しく抱き締め返してくれた。



それは、

夢だと分かっていても、幸せな瞬間で―――…



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