そして 君は 恋に落ちた。









目を瞑ってるのに明るいのが分かる。

………そうか。もう朝なんだ。


朝………

「ぁあっ!…ッ」


頭イタッ! ガンガンするッ!


それよりもそれよりも!目覚ましかけわす――

「おはようございます」



朝からの澄んだ声に、一瞬、動きが止まる。


ゆっくり横を向くと―――

「な、んで…」

いるの……?




キシッ…ってベッドがきしむ音がして。
横になる私に向かい合うように、彼、松田君が微笑んでいた。




「覚えてないんですか?」

「え…? や、あの――…

 ……………………はぃ」



覚えてない。

……全く。記憶にありません。


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