そして 君は 恋に落ちた。
「もう用意しないとギリギリですよ?」
髪から雫をこぼしながら来る松田君は、すでにワイシャツを手にしていた。
「ドライヤー使ってね?」
籠に入れてあるドライヤーを取り出し彼に渡すと、「ありがとう」と言ってリップ音と共に唇に触れた。
最近分かったけど、彼はキスが大好きなよう。
シャワーを浴び軽く化粧してリビングに戻ると、彼がテーブルにサンドイッチを並べていた。
「……これ買ってきたの?」
「はい。時間ないんでこれだけ食べて下さい」
ニッコリ笑って牛乳にストローまで挿してくれて。至れり尽くせり。
「あの……」
今この空気なら、昨日の夜のこと聞いても大丈夫かな…?
「昨日って、私瀬川君達と飲んでたはずなんだけど…」
椅子に座る私と、立っている彼。
見上げた彼の顔が、無表情で私に向いた。
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