そして 君は 恋に落ちた。
「……何?」
「そんなに警戒することないでしょ」
苦笑いを浮かべる小林君を怪訝な表情で見る。と、スッと顔を真面目な顔になった瞬間私の耳元に、その整った顔が近づいた。
「ちょっと…っ」
「あの日の事、感謝しろよ?」
―――あの日の…?
バッと体を背け身構える私に、彼はニッコリ笑い、
「まあ礼を寄越せとは言わないけど――そうだな。
今度はお前が協力してくれればいいよ」
フッと企んでる笑い顔を見せ、そのまま営業部のドアの中に入っていく彼。
協力って………一体何を……
そんな普段と違う1日の終わりはやはり、駅までの道を歩く私の隣にいる松田君の姿。
「今日ウチでも良いですか?」
自然に手を掴まれ、バッと隣を見上げた。
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