そして 君は 恋に落ちた。



「……何?」

「そんなに警戒することないでしょ」


苦笑いを浮かべる小林君を怪訝な表情で見る。と、スッと顔を真面目な顔になった瞬間私の耳元に、その整った顔が近づいた。


「ちょっと…っ」


「あの日の事、感謝しろよ?」


―――あの日の…?



バッと体を背け身構える私に、彼はニッコリ笑い、

「まあ礼を寄越せとは言わないけど――そうだな。
 今度はお前が協力してくれればいいよ」


フッと企んでる笑い顔を見せ、そのまま営業部のドアの中に入っていく彼。


協力って………一体何を……












そんな普段と違う1日の終わりはやはり、駅までの道を歩く私の隣にいる松田君の姿。



「今日ウチでも良いですか?」

自然に手を掴まれ、バッと隣を見上げた。

< 365 / 378 >

この作品をシェア

pagetop