そして 君は 恋に落ちた。



「仲直り……出来たんですね」


「良かった」と、顔を傾け嬉しそうに笑う彼女に、松田君の影から照れ笑いをする。

何だか恥ずかしい……



「………は?

 え、あれ?………えっ その人―――…

 あ、あ? ―――マジで!? えっ そうなの!?」


松田君の後ろにいた私に今気付いたのか、目をまん丸くして叫びに近い声を出しす友達。



「お前うるさい。近所迷惑だから」

「いやっ しゃーねーだろ!そりゃ誰だって驚くわ、んなもん!
 お前の相手がおつぼ…ゴフっ」

「林原君うるさいわよ。
 すみません。彼うるさい子で…」

「本当にすみません。キーキーうるさくて」


うずくまる彼を気にすることなく藤井さんと松田君は私に謝った。

……いや、逆に―――大丈夫?彼は……



「エレベーター来たから乗りましょう?」

痛がる彼を置き去りに、彼女であるはずの藤井さんは再度エレベーターのドアを開けた。

< 367 / 378 >

この作品をシェア

pagetop