そして 君は 恋に落ちた。


「何してるのじゃねーよ!
 俺に一番に見せろって言ったのに!!

 すでに始業時間2分前だよ!」


文句を言う彼に、慌てて腕時計を見た。

確かに、あと2分で始業時間だ。



「やだ!本当だっ

 ちょっ また後でね!」


目の前のガラス戸に手をかけると同時に、反対の腕を後ろに引かれバランスを崩した。


「あ…っぶな!
 何す…」

「まぁまぁの仕上がりだな。
 色気がかなり足りないけど」


耳元で聞こえたのは意地悪い声。

瞬時にこれを言ってる時の彼の顔が頭に浮かんだ。



「んじゃ、昼休み社食でな」

パッと腕を放しスタスタ立ち去る瀬川君。


言われた内容に、一言文句言ってやろうとした私をすり抜けていった。

……朝から感じ悪いな。

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