そして 君は 恋に落ちた。


「松田はB定か。俺も迷ったんだよなぁ」

「チキン南蛮好きなんで。瀬川さんはカツカレーですか」

「そ、今日はカレーの気分だったんだよ」



男二人本日の昼食について仲良く語る図。だが、周りの視線は冷たい。



「春日さんは鯖定ですか」


突然振られた会話にお味噌汁がつまる。



「…ごほっ」

「汚ねーな!」


「ごめん」

「大丈夫ですか?」

「……大丈夫」



ああ―――胃がキリキリする。



「ハルヒ、それ一口くれ」

言われて隣を見ると、瀬川君が口を開いて待っていた。


……バカなの?やっぱりバカだったの?!


ちがう。
彼は気づいてやってる。

周りの女子の反応が面白くて朝同様私を困らせるつもりなんだ。


……ムカつく。



「はい、食べて?」


笑顔でカレーの中に鯖を入れてやった。

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