そして 君は 恋に落ちた。



「春日さん」



彼が私を見てるのが落ち着かなくて、少し視線を下げた。



「……何?」



私は顔を上げられず、斜め下に目を向けたまま。




「今日の夜あけて下さい」



言われた内容に、一瞬思考が止まる。



……あける?

それって―――


「“美浦の店”で待ってます」


言葉に顔を上げると―――彼と目が合った。




……見なければよかった………




彼の体がスローモーションの様に近づく。


それを見る私の心臓は、警戒音を最大にして警告する。



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